tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

クロネコヤマト異例の春闘

2017年02月26日 12時58分46秒 | 労働
クロネコヤマト異例の春闘
 ヤマト運輸の労使が、今春闘で、「荷受けの抑制」を検討するというニュースを聞いて、やっぱり」という気持ちと、何か「残念」という気持ちの交錯です。

 ヤマト運輸は日本の物流革命の旗手です。かつて多くの会社で「これリコピーして」とか「ゼロックスしてください」などと言われたことがありましたが、「宅急便」は宅配便の代名詞として、今でも広く使われているようです。

 宅配便が普及して、我々の生活は大きく変わりました。家庭向け物流革命は、日本経済の発展に大きく貢献しました。今、宅配便がなくなったら、日本の家庭の消費行動は停滞し、消費不振は一層ひどくなるでしょう。

 私自身の消費行動でも、この所ネット通販利用が明らかに増えていますが、この我々にとって必須のインフラで、「荷受け抑制」が労使共通の問題になっているのです。
 佐川急便がアマゾンの配送から手を引き、ヤマト運輸が引き受けを続けているという事はネットで知りましたが、「クロネコさんもパンクですか!残念!」というところです。

 しかし考えてみれば、これは、本当は個別企業の労使の問題ではないはずです。問題は日本経済社会の基本的インフラの問題なのです。
 歴史的に見ても、インフラを整備しない国は、経済が発展をしないことは明らかです。ですからどこの国でもインフラは、いろいろな形で政府が手掛けてきています。

 しかし宅配便の場合はヤマト運輸の創業者小倉昌男さんが述べていますように、政府の規制との戦いで市場を切り開いてきました。そして今、宅配便という巨大市場は万人が認める日本の家庭向け物流インフラとして急速に拡大し、関連企業はその重責を担っています。

 繰り返しますが、クロネコヤマトの問題は、単に一企業の問題ではなく、日本の主要インフラの今後の在り方の問題を提起していると考えるべきです。
 問題の本質を考えれば、宅配業界労使、利用者(各家庭)3者が、みんなで文殊の知恵を絞って、今後の在り方を考えなければなりません。

 そのためには政府にもやるべきことはあるでしょう。消費不振に苛立つ政府ですが、文殊の知恵は民間に任せて、政府には、関連するお膳立てや環境整備だけやって頂ければいいのではないかと思っています。

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